第81号:エンナは季節のはじまりの地?・・・「ギリシャ神話」

ギリシャ神話は好きで、今までもいろいろな本を拾い読みしていました。 本によってディテールには違いがあり、話自体もやや奇想天外ではありますが、その世界観は日本人が「古事記」「日本書紀」を断片的にも知っているように、馴染んでいるようです。 今回…

第80号:ローマ発信・・・「コロナの時代の僕ら」

パオロ・ジョルダーノ著の「コロナの時代の僕ら」を読みました。ここ最近話題の本です。 著者はイタリア人で、物理学を学んでいたこともあり、数学的な要素を盛り込んだ処女作の『素数たちの孤独』では、イタリアで権威あるストレーガ賞を受賞しています。プ…

第79号:歴史的な日々の記録・・・小説『喝采』

皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。 コロナ禍以降、SNSでおもしろ動画や応援動画を送りあいシェアすることが流行っていますが、皆さんはいかがでしょうか。 今回は友人からの情報で教えてもらいましたが、コロナ禍によりロックダウンされたパリにいた原田…

第78号:元祖マヨネーズ、その味は?・・・「さよならは小さい声で」

あっという間に1週間が過ぎていきます。片付けやら、なんやらやることは多いですね。 今回も松浦弥太郎さんのエッセイにしました。2013年に発行されたものを集めた「さよならは小さい声で」。2016年に文庫化されています。 最近、ご近所のマダムと松浦さんの…

第77号:東京砂漠ならぬ、パリの砂漠・・・「パリの砂漠、東京の蜃気楼」

自粛生活が長引いていますが、いかがお過ごしでしょうか。 時間があるのでいろいろやりたいことはあるのに意外と進まないので、朝目が覚めると無力感を感じたりもします。たとえば、夜になってやっと本が読めるとベッドに入ると、本も読まずに朝まで眠ってし…

第76号:気になる書店・・・「場所はいつも旅先だった」

松浦弥太郎さんといえば、『暮らしの手帖』の現在の編集長から2つ前の編集長です。文筆家であり、書籍商となっていますが、ご本人はカテゴライズされるのはお好きでないようで、そういうところに私も共感しています。 さて、『場所はいつも旅先だった』は200…

第75号:ジュデッカ島にて・・・「対岸のヴェネツィア」

内田洋子さんの「対岸のヴェネツィア」を読みました。以前ブログに書いた「十二章のイタリア」を読んだあとにこの本を買っていたのに、カバーをかけたままなぜか本棚に入れっぱなしになっていて・・・。 「今さらヴェネツィアでもないでしょうに。」と周りの…

第74号:ローマのテベレ川近くに住む家族の話・・・「靴ひも」

もしも忘れているのなら、思い出させてあげましょう。私はあなたの妻です。 この強烈な手紙の一節から始まるドメニコ・スタルノーネ著の「靴ひも」を読みました。少し前に新聞各社の週末の書評に出ていたので気になっていました。やはりイタリア自体が好きな…

第73号:夢でも旅する・・・「美しいフィレンツェとトスカーナの小さな街」

新型コロナウィルスの影響で、旅に出たくても出れないという状況の方は多いのではないでしょうか。フィレンツェもTwitterなどにアップされる動画をみるといま静けさの中にあるようです。 仕事柄、時間があるときには、旅番組はもちろん、旅のガイドブックや…

第72号:南仏プロヴァンスは永遠に不滅です!・・・「南仏プロヴァンスの25年 あのころと今」

前回、1999年に刊行したピーター・メイル著「南仏プロヴァンスの昼下り」を紹介しましたが、今回2018年1月に発表された「南仏プロヴァンスの25年 あのころと今」を読みました。 リュベロンに住むきっかけになったエピソードから始まり、最近のリュベロンの町…

第71号:リュベロン地方への誘い・・・「南仏プロヴァンスの昼下り」

新型コロナウィルスの影響で、急激に仕事が減った私です。フリーランスだから収入も激減・・・。ですが、今までオーバーワークだったので、少し休業でもしたいと思っていたほどだったので、私にとっては思いがけないギフトをいただいた感じでもあります。 コ…

第70号:かごの中の本・・・「もうひとつのモンテレッジョの物語」

以前も、内田洋子さんが執筆されたイタリアの小さなモンテレッジョという本の行商の村について、このブログを書いていますが、今回「もうひとつのモンテレッジョの物語」が昨年のクリスマスに発刊されました。 本の装丁がとても素敵です。帯の写真と本表紙の…

第69号:車で行く那須の旅・・・「Red」

先日から公開が始まった映画「Red」の原作本を読みました。 先々週のNHKのアサイチでは、作者の島本理生さんと今回の映画で監督をしている三島有紀子さんが出演しており、映画と小説では結末が違うということを話しており、その結末が島本さんはとても良かっ…

第68号:小学校のクラス会が行われる札幌・・・「田村はまだか」

すっかりご無沙汰しており、すみません・・・ ここにきて新型コロナウィルス(COVID-19)の影響がじわりと来ています。私が旅行業界に入ったのが2000年でしたので、その間にはいろいろなことがありました。2001年のアメリカの同時多発テロ、SARS、ユーロの暴騰…

第67号:大阪は夏子の生まれ育った街・・・「夏物語」

川上未映子さんが先日NHKの朝イチに出ていましたが、ちょうど「夏物語」を読んでいました。 主人公夏目夏子の出身地である大阪。姉の巻子と孫娘で、夏子の姪の緑子は大阪に(「笑橋」という地名で)住んでいるという設定です。 冒頭では、ある夏に巻子と小学…

第66号:「マチネの終わりに」の洋子の住んでいたパリ

先日新聞にシャンゼリゼ通りのライトアップが始まったとありましたが、気が付けば、もうアドベントシーズンに入っていますね。 11月1日から公開した映画「マチネの終わりに」を早々に見に行っていたのに、書くのがだいぶ遅くなってしまいました。 単行本で平…

第65号:貴方の巡礼の目的は?・・・「スペイン巡礼 緑の大地を歩く」

前回の第64号に引きつづき、サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅行記を読みました。今回は、渡辺孝さんの「スペイン巡礼 緑の大地を歩く」という本です。 前回の「人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅」と同じくサン・ジャン…

第64号:いつかは巡礼路・・・「人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅」

まずはじめに、すっかりご無沙汰しており、失礼いたしました。 サマーヴァケーションどころでなく、その前からだいぶ更新を怠っていました。 公私ともに忙しかったといえば、それまでですが、特に私事の雑多なことが多かった夏でした。 やっと9月に入り、台…

第63号:やはりナポリ・・・「 ナポリの物語3『逃れる者と留まる者(原題Storia di chi fugge e chi resta)』」

エレナフェッランテの待望の第3巻が発売になり、楽しみにしていたのですが、やっと読みました。 あらすじを少し・・・ 第2巻のリラの夫婦生活の破綻、イスキア島でのニーノとの蜜月の末に、リラがニーノには秘密で出産した息子。リラとその息子の庇護を買っ…

第62号:THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL に入居希望・・・「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」

フィンエアーの機内で暇つぶしに、映画「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 」を見て、とてもこの映画を気に入って、帰国してから、第1作目の「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」を急いで見ました。その後、本でも読んでみたいと、同名(原題「TH…

第61号:ロカ岬へは、切手を持参して!・・・「ここに地終わり海始まる」

明日から未曽有のG.W.10連休!恐ろしい・・・! これから旅に出るお客様を抱える身としては、日本からドキドキはらはらの連休です。みんな揃って10連休って、生まれて初めての出来事ですしね。ヨーロッパを担当する身としては、24時間体制になると覚悟の上で…

第60号:1980年という年・・・「ボローニャの吐息」

2017年に発行された内田洋子さんの「ボローニャの吐息」は、ジャケ買いならぬ表紙買い&タイトル買いしてしまった本である。 タイトルは、ボローニャ?と思い、よく見ると表紙はボローニャの屋根付きアーケード「ポルティコ」と煉瓦の聖堂の夜の様子を撮影し…

第59号:平和でないと旅には出られない・・・「帰還 父と息子を分かつ国」

2018年11月日本で翻訳されたリビア人の作家ヒシャール・マタール著の「帰還」を読んだ。近い過去で、問題が解決していないことにやるせない気持ちになった。 著者は1970年ニューヨーク生まれである。両親はリビア人で、著者は父の赴任先で生まれた。幼少期を…

第58号:マウリッツハイツ美術館の窓・・・「常設展示室」

原田マハさんの「常設展示室」を友人から借りた時に、表紙の絵を見て、「あっ、この配置、見たことある」と思わず言ってしまいました。 この本の装丁は、オランダのハーグにあるマウリッツハイツ美術館の展示室の写真です。フェルメールの「デルフトの眺望」…

第57号:ドナウの水面を想う・・・「ドナウの旅人」

いまちょうど、ブダペストに行くお客様への案内を考えていた。 前号のプラハでも書いたように、中欧の旅の1つとしてハンガリーのブダペストには、以前はよく行った。ドナウ川をはさんで、西側のブダ地区と東側のペシュト地区が一緒になってブダペシュト。 ド…

第56号:プラハの春を知るきっかけに・・・『プラハの春』

先週の米原万里さんが子供時代に住んでいたプラハについて書きましたが、以前夢中になって読んだ春江一也さんの本を思い出しました。 三部作で、『プラハの春』『ベルリンの秋』『ウィーンの冬』。 最初の2作は、立て続けに夢中で読んで、3作目は発売になる…

第55号:ヨーロッパのおへそである中欧のプラハ・・・「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」

昔、私が添乗員をしていたころ。プラハと一緒にベルリン、ドレスデンやブダペストと合わせて行くツアーが多く、新しい国に入るときには、その国の歴史の概要を案内していた。 歴史といっても、それぞれに長い歴史がある国で、とても全部は話せないので、チェ…

第54号:和解の家・・・「帰れない山(LE OTTO MONTAGNE)」

本年もよろしくお願いいたします。 昨年末に母が急逝し、ほぼ何も考えることができずに日々が流れていきました。 新年になり少しずつですが、自分自身で日常を取り戻していこうと思い始めた今日この頃です。 さて、今年1冊目の本は、すでに12月に入ってから…

第53号:ヴァカンツァはイスキア島へ・・・「ナポリの物語2 『新しい名字 (原題Storia del nuovo cognome)』」

エレナ・フェッランテ著のナポリの物語シリーズの第2巻の『新しい名字』(原題 Storia del nuovo cognome)を読みました。 待望の第2巻です。イタリアでは2012年に発刊されていたようですが、日本では今年2018年5月に発刊されました。私はうっかりリサーチ…

第52号:I LOVE 神保町・・・「珈琲が呼ぶ」

片岡義男さんの「珈琲が呼ぶ」で、私にとっては、懐かしの神保町の「ミロンガ」と「ラドリオ」が出てきました。 大変勝手ながら私と神保町について。 神保町という町について、初めて他人から熱く語られたのは、埼玉の県立高校に通っていた高校生の時。その…