umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第124号:世界一の本の街 神田神保町・・・「古本食堂」

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原田ひ香さんの本は2冊目です。1冊目に読んだ「三千円の使いかた」がとても面白かったので、この2冊目「古本食堂」を読みました。なんといっても、私の将来の夢は古書店を経営することなので、古本、古書というキーワードには反応してしまいます。

 

さて、この本には2人の女性が出てきます。大学院生の美希喜ちゃんと、彼女の大叔母にあたる珊瑚さん。

 

珊瑚さんのお兄さんの滋郎さん(美希喜ちゃんの大叔父)がこの神保町(スズラン通りから1本入ったところ)で古書店を経営していましたが、独身のまま急に亡くなってしまって、その店をどうするかという状態になり、妹の珊瑚さんが帯広から出てきました。

 

珊瑚さんは、滋郎さんの住んでいた高円寺の家に住み、神保町のこの古書店をとりあえずは再開させます。美希喜ちゃんは、神保町にほど近い大学院に通っていて、もともと滋郎さんの時にもこの店にも来ており、珊瑚さんをサポートします。

 

そんなにたくさんお客さんが来るわけでもないのですが、ちゃんとお店は支持されていて、周りの人びとの言葉から滋郎さんがとても愛されていたことがわかります。亡くなっても、みんなが口にする滋郎さんのいろいろエピソード。そんな風に生きたいものです。珊瑚さんも、美希喜ちゃんもなかなかの読書家で、なかなか素敵です。

 

そして、神保町の名店の料理がたくさん出てきます。コロナ禍の時代ということもあるせいか、テイクアウトで古書店の中で食すシーンも結構出てきます。ボンディのカレー、揚子江菜館の焼きそば、ろしあ亭と思われるピロシキなど。

 

珊瑚さんと珊瑚さんの気になっていた東山さんが、東京で再会するシーンでは靖国通りにあるランチョンが出てきます。

 

あー、麗しの神保町。今すぐにでも行きたくなります。

 

最後に、私がこの本を読んで少し驚いたことは、この本に出てくる美希喜ちゃんの通う「神保町の近くにある、O女子大」。それって、私の母校??と思い、原田ひ香のWikipediaをみたら、なんと私の少し上の先輩にあたる方でした。

 

私は大学の3,4年を神保町に程近い校舎で過ごし、新卒の時には一ツ橋にオフィスがあったので、よくスズラン通りで過ごしたのでした。ランチの時間も楽しかったし、古書店の軒先を見て回るのも楽しかった。ランチの後のお茶には、ブックカフェに行ったり、老舗ラドリオやミロンガ、さぼうるにも行きました。仕事帰りに寄る神保町交差点のディスクユニオンは、ジャズやボサの品揃えがよくて、よく行きました。

 

もし、また通勤したい街を問われれば神保町とこたえると思います。

 

古本食堂

古本食堂 / 原田 ひ香著

東京 : 角川春樹事務所 , 2022.3

p290 , 19cm