umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第111号:ロマニョーラ海岸は、ナンパの名所?・・・「海をゆくイタリア」

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内田洋子さんが2001年に刊行した本書が、2021年9月に加筆して文庫本としてリリースされました。

 

この本では、木造の古式帆船<ラ・チチャ>の約5か月、12の航路の旅を船長シルヴェリオが語り部となって書かれています。

 

また、この古式帆船<ラ・チチャ>については、前回の「ジーノの家」の中で登場します。

 

サンレモを出発して、ラ・チチャはティレニア海を南下し、サルディーニャ、カプリ、シチリアをぐるっと回り、イタリアをブーツに例えるなら、ブーツの底の部分を通って、アドリア海に入り、かかと、ふくらはぎを上がるようにして、ラヴェンナベネチアと行き、最後にトリエステで旅を終えました。

 

たくさん、魅力的な港と人びとが登場し、おいしい食事も登場します。

 

リミニの近郊のロマニョーラ海岸はナンパの名所と言うことで、北欧から来る金髪碧眼の女性たちに、地元のみならずイタリア中から男性が集まるようです。でも、地元のロマ-ニャの女性も負けて折らず、対照的に肉感的な魅力を放っているそうです。

 

そのロマニョーラ海岸は立錐の余地のない程のビーチパラソル、民宿やホテル、貸別荘が立ち並び、パレオやサングラスのみならずテーブルクロスやら、ハンドバックやらの行商まで浜辺を売り歩くというその活気を想像して、うーん?新島みたいな、いやいや御宿みたい??などと、余り広がらない想像力を駆使するのでした。

 

その海岸の周辺では、パーティーが開かれ、フェデリコ・フェリーニの着ていたような濃紺のマントを着た<フェリーニ>というあだ名の男が出てきたり、なんだか興味深い話が満載です。

 

マルチェロ・マストロヤンニ主演の『甘い生活』のパーティのように、アヌーク・エーメが演じたマッダレナ嬢のような美女やスウェーデン出身のアニタ・エクバーグみたいな美女も登場するようなパーティなのではないかと想像したりしてしまいました。

 

アドリア海のイタリア側にも是非アフターコロナには行ってみたいです。

 

海をゆくイタリア (小学館文庫 う 13-3)

海をゆくイタリア / 内田 洋子著

東京 : 小学館 , 2021.9

p285 ; 15cm