umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第116号:ハリケーンレオの襲来・・・「狙われた楽園」

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今年は3年ぶりに規制のないG.W.ですね。私は、姉や甥姪とともに谷中に墓参したり、買い物をしたり、みんなで食事したりしました。晴天が続いて、「これぞ、ゴールデンウィーク」という気持ちになりました。

 

今日は、最近の日課のウォーキングをして、なかなか読み進められずにいた「狙われた楽園」を読み終えました。アメリカでは2020年刊行されたジョン・グリシャムのシリーズ第2作目「狙われた楽園」(原題「Camino Winds」)。今回は、村上春樹さんが訳者ではなく、星野真理さんです。

 

1作目ほどの感動はないものの、「ふむふむ」と言う感じでした。ある殺人から芋づる式に出てくる闇の世界。ほんとにあったら怖いなぁ、いやほんとにあるのかななどと想像をかき立てます。

 

ミステリーはあまり読み慣れない私なので、前回のように書店や稀覯本のことなどの描写を読みたかったのですが、今回はあまりありません。それよりも、このカミーノアイランドはハリケーンレオが襲撃して大変なことに・・・。

 

このカミーノアイランド(Camino island)はフロリダのジャクソンビル近郊の架空の島です。中心部にはサンタ・ローザというダウンタウンがあったり、前作のキーマンであった作家マーサー・マンのコテージは海辺にあったり、この島にあったヒルトンはこのハリケーンで大きな被害にあったり、本土から島に渡る橋も通行不能になったり、架空とはいえかなりロケーションの設定がちゃんとしており、想像を掻き立てます。


閑静な住宅が建ち並ぶ町で、主人公ブルース・ケーブルは独立系書店「ベイ・ブックス」を営んでいます。


オープンマリッジという形を取っていたブルースと妻のノエルは、今作ではオープンマリッジをやめて、あらためて海岸で結婚式をあげ、お互いの貞節を誓うというシーンも出てきます。

 

今作では、周りを固めるサイドストーリーがあらたに動き始め、ある意味中途半端なまま終わってしまうので、ここら辺が次作の展開を気にならせる要素にもなっています。

 

ブルースは前作に比べると、街がハリケーンで甚大な被害を受けたために書店の経営への熱が冷めているのが個人的には残念ですが、次作ではブルースの気持ちがどんな風に変わっていくのかも気になります。

 

狙われた楽園 (単行本)

狙われた楽園 / ジョン・グリシャム著 ; 星野 真理訳

東京 : 中央公論新社 , 2021

373p ; 20cm

書名原綴り : Camino Winds

著者綴り : John Grisham