umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

第127号:キオッジャの町の美しいワンシーンと本・・・「パパの電話を待ちながら」

Netflixで、クリスマスに『イル・ナターレ: クリスマスなんて大嫌い(原題:Odio il Natale)』を見ました。とてもいいドラマでした。笑って、泣いて、ハッピーエンド。 このドラマは、ベネチアの町が舞台になっています。でも、主人公が自転車に乗っている…

第125号:旧李王家東京邸・・・「李王家の縁談」

2021年11月に発刊された林真理子さんの「李王家の縁談」を読みました。 明治末期から戦後までを、梨本宮伊都子の目線で書かれた小説です。梨本宮伊都子は日記を残したことで知られています。 現在は断絶した梨本宮ですが、伊都子は鍋島家から梨本宮守正の元…

第124号:世界一の本の街 神田神保町・・・「古本食堂」

原田ひ香さんの本は2冊目です。1冊目に読んだ「三千円の使いかた」がとても面白かったので、この2冊目「古本食堂」を読みました。なんといっても、私の将来の夢は古書店を経営することなので、古本、古書というキーワードには反応してしまいます。 さて、こ…

第123号:松本の包装紙・・・「松本十二か月」

片道2キロちょっとの図書館までウォーキングして、あてどもなく本を見て過ごすのが週末の楽しみです。 今年の夏は久しぶりに長野の姉のところに行こうと思っています。姉が白馬から引っ越し、いまは松本に比較的近いエリアに住んでいるので、以前よりも中央…

第122号:鎌倉と牛久、二つの大仏・・・「やさしい猫」

中島京子さんの「やさしい猫」を読みました。 特に最後の100ページくらいは、ボロボロ泣きながら読んで、こんなに嗚咽しながら読む本って、ここ最近出会っていません。 この話はスリランカ人のクマラさんとミユキさんと、ミユキさんの娘のマヤちゃんの話。東…

第118号:アテネで、オリジナル・マラソン・コースを走る・・・「走ることについて 語るときに 僕の語ること」

2007年10月に単行本化された村上春樹著「走ることについて 語るときに 僕の語ること」を今さらながら読んだ。最近参加している読書会のメンバーの方の話に出てきて、読んでみようと思った。 いまから15年以上前に、村上さんが「マラソン」をテーマに各地のレ…

第117号:先生との出会いの鎌倉の浜辺・・・『こころ』

夏目漱石の『こころ』は、たしか高校1年か2年のときの現代国語の教科書に三部構成のうちの第3部の「先生と遺書」だけ掲載されていた記憶があります。一部抜粋といっても、当時の私は本なんて全然読まなかったので、辟易するほど長いと感じたことを覚えていま…

第116号:ハリケーンレオの襲来・・・「狙われた楽園」

今年は3年ぶりに規制のないG.W.ですね。私は、姉や甥姪とともに谷中に墓参したり、買い物をしたり、みんなで食事したりしました。晴天が続いて、「これぞ、ゴールデンウィーク」という気持ちになりました。 今日は、最近の日課のウォーキングをして、なかな…

第115号:サイゴン河のクルーズ船・・・「自転しながら公転する」

NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が昨日最終回を迎えましたが、今回取り上げる山本文緒さんの「自転しながら公転する」も言ってみれば、ある家族の物語でもあります。ぐいぐい物語に引っ張られて、あっという間に読んでしまいました。 プロローグは、ベ…

第114号:ウィグタウン(Wigtown)はBook Town・・・「ブックセラーズ・ダイアリー」

ショーン・バイセル著の 「ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年」を読みました。 私と同じ世代で、1970年生まれの著者が、30歳の時の2000年に生まれ故郷であるスコットランド南部のウィグタウン(Wigtown)で本屋を偶然買い取り、そ…

第113号:オワーズ川のほとりの町で・・・「リボルバー」

2021年5月に発売された原田マハさんの「リボルバー」を読みました。 この表紙の「ひまわり」とリボルバーと聞いただけで、勘のいい人はゴッホの死に関係する話かなと気づくかもしれません。 そこまでは、いままでもいろんな本でも書かれていますが、耳切事件…

第112号:バレンタインデーの前日に愛の形を考える・・・『コロナの時代の愛』

以前のブログを見ていたら、2008年に読んだガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』のことを書いていました。ちょうど、同名の映画が日本でも公開されて少し経ってからのことなので、映画を見て、興奮冷めやらずという感じで書いている節があります。そのブ…

第111号:ロマニョーラ海岸は、ナンパの名所?・・・「海をゆくイタリア」

内田洋子さんが2001年に刊行した本書が、2021年9月に加筆して文庫本としてリリースされました。 この本では、木造の古式帆船<ラ・チチャ>の約5か月、12の航路の旅を船長シルヴェリオが語り部となって書かれています。 また、この古式帆船<ラ・チチャ>に…