umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第107号:ヘルシンキ周辺とタリンを一人旅・・・「考えごとしたい旅」

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2020年12月、コロナ禍で発売された益田ミリさんの「考えごとしたい旅 フィンランドシナモンロール」を読みました。まさに、私が推奨する”バーチャル一人旅”にぴったりの本でした。

 

益田ミリさんが、2017年の6月末、2018年8月終わり、2019年の12月初旬に3回旅したヘルシンキを中心とした一人旅について綴っています。この旅の前にも、益田さんは2回フィンランドを旅したことはあったようですが、完全なる一人旅はこの2017年が初めてだったそうです。

 

私も2019年の3月に、ポルトガルの帰りに、ヘルシンキとタリンに3泊ほどで立ち寄ったので、「おお、同じルート!タリンへ渡る船もメガスターで同じ~!」などと、あの旅の情景を思い出しつつ、読みました。

 

旅をするときって、ホテルの選び方とか日程などには、性格がでますが、益田さんは無理せずに慎重にプランを立てている様子がわかります。旅も3回目となると、自由度の高い旅を楽しむようになり、すでに見つけてあったお気に入りのお店に再訪したり、急きょタリンに日帰りで出かけたり、でも思いがけず間違ったバスに乗ってしまったり、ちょっとしたトラブルがありながらも旅上手になっていくようすが手に取るようにわかります。

 

日本で調べておいた評判のいいカフェやレストランに出かけていって、おいしいものに舌鼓をうち、ときには疲れるとストックマンのデパ地下で惣菜を買って食べたり、ホテルに休憩に戻ったりしながら、自由自在に旅をしているようすは読んでいるこちらも楽しい気分になります。

 

一人だからこそ、ホテルの部屋で、街中のカフェで、タリンに行く船の中で、いつもは考えない、考えないようにしていたこと、たとえば、誰にでも訪れる死について、考えてみたりするようすに共感してしまいます。

 

1つご紹介すると、2018年の旅で、マリメッコのアウトレットに行った若い女の子たちに話しかけたら、洋服は高くて買えなかったと言われたエピソードもいいです。

若々しい女の子たち。マリメッコのウニッコ柄のワンピースなんかを着たら、よく似合うだろう。でも、そうか、買えなかったのか。わたしは大人だから買えるけれど、もうウニッコは似合わない。買えても、買わないのがわびしかった。

                  (本書 益田ミリ著「考え事をしたい旅」)

あー、分かるわーと思いました。ウニッコ、もう私も似合わないわ。でも、PUUTARHURIN PARHAAT (プータルフリン)なら似合わなくても、つい買いたくなっちゃうなぁなどと考えたりしました。

 

この本を読んで、今度はクリスマスの頃、行くのもいいかも!と思いました。前回は3月にポルトガルの帰りだったので、準備が悪かったこともあって、とても寒く感じてしまって活動的になれなかったけれど、クリスマスはやっぱり特別感があるし、ちゃんと準備していけば、楽しめるかもと思いました。

 

考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール

考えごとしたい旅;フィンランドシナモンロール/益田ミリ

東京:幻冬舎 , 2020

195p ; 19cm