第64号:いつかは巡礼路・・・「人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅」

まずはじめに、すっかりご無沙汰しており、失礼いたしました。 サマーヴァケーションどころでなく、その前からだいぶ更新を怠っていました。 公私ともに忙しかったといえば、それまでですが、特に私事の雑多なことが多かった夏でした。 やっと9月に入り、台…

第63号:やはりナポリ・・・「 ナポリの物語3『逃れる者と留まる者(原題Storia di chi fugge e chi resta)』」

エレナフェッランテの待望の第3巻が発売になり、楽しみにしていたのですが、やっと読みました。 あらすじを少し・・・ 第2巻のリラの夫婦生活の破綻、イスキア島でのニーノとの蜜月の末に、リラがニーノには秘密で出産した息子。リラとその息子の庇護を買っ…

第62号:THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL に入居希望・・・「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」

フィンエアーの機内で暇つぶしに、映画「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 」を見て、とてもこの映画を気に入って、帰国してから、第1作目の「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」を急いで見ました。その後、本でも読んでみたいと、同名(原題「TH…

第61号:ロカ岬へは、切手を持参して!・・・「ここに地終わり海始まる」

明日から未曽有のG.W.10連休!恐ろしい・・・! これから旅に出るお客様を抱える身としては、日本からドキドキはらはらの連休です。みんな揃って10連休って、生まれて初めての出来事ですしね。ヨーロッパを担当する身としては、24時間体制になると覚悟の上で…

第60号:1980年という年・・・「ボローニャの吐息」

2017年に発行された内田洋子さんの「ボローニャの吐息」は、ジャケ買いならぬ表紙買い&タイトル買いしてしまった本である。 タイトルは、ボローニャ?と思い、よく見ると表紙はボローニャの屋根付きアーケード「ポルティコ」と煉瓦の聖堂の夜の様子を撮影し…

第59号:平和でないと旅には出られない・・・「帰還 父と息子を分かつ国」

2018年11月日本で翻訳されたリビア人の作家ヒシャール・マタール著の「帰還」を読んだ。近い過去で、問題が解決していないことにやるせない気持ちになった。 著者は1970年ニューヨーク生まれである。両親はリビア人で、著者は父の赴任先で生まれた。幼少期を…

第58号:マウリッツハイツ美術館の窓・・・「常設展示室」

原田マハさんの「常設展示室」を友人から借りた時に、表紙の絵を見て、「あっ、この配置、見たことある」と思わず言ってしまいました。 この本の装丁は、オランダのハーグにあるマウリッツハイツ美術館の展示室の写真です。フェルメールの「デルフトの眺望」…

第57号:ドナウの水面を想う・・・「ドナウの旅人」

いまちょうど、ブダペストに行くお客様への案内を考えていた。 前号のプラハでも書いたように、中欧の旅の1つとしてハンガリーのブダペストには、以前はよく行った。ドナウ川をはさんで、西側のブダ地区と東側のペシュト地区が一緒になってブダペシュト。 ド…

第56号:プラハの春を知るきっかけに・・・『プラハの春』

先週の米原万里さんが子供時代に住んでいたプラハについて書きましたが、以前夢中になって読んだ春江一也さんの本を思い出しました。 三部作で、『プラハの春』『ベルリンの秋』『ウィーンの冬』。 最初の2作は、立て続けに夢中で読んで、3作目は発売になる…

第55号:ヨーロッパのおへそである中欧のプラハ・・・「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」

昔、私が添乗員をしていたころ。プラハと一緒にベルリン、ドレスデンやブダペストと合わせて行くツアーが多く、新しい国に入るときには、その国の歴史の概要を案内していた。 歴史といっても、それぞれに長い歴史がある国で、とても全部は話せないので、チェ…

第54号:和解の家・・・「帰れない山(LE OTTO MONTAGNE)」

本年もよろしくお願いいたします。 昨年末に母が急逝し、ほぼ何も考えることができずに日々が流れていきました。 新年になり少しずつですが、自分自身で日常を取り戻していこうと思い始めた今日この頃です。 さて、今年1冊目の本は、すでに12月に入ってから…

第53号:ヴァカンツァはイスキア島へ・・・「ナポリの物語2 『新しい名字 (原題Storia del nuovo cognome)』」

エレナ・フェッランテ著のナポリの物語シリーズの第2巻の『新しい名字』(原題 Storia del nuovo cognome)を読みました。 待望の第2巻です。イタリアでは2012年に発刊されていたようですが、日本では今年2018年5月に発刊されました。私はうっかりリサーチ…

第52号:I LOVE 神保町・・・「珈琲が呼ぶ」

片岡義男さんの「珈琲が呼ぶ」で、私にとっては、懐かしの神保町の「ミロンガ」と「ラドリオ」が出てきました。 大変勝手ながら私と神保町について。 神保町という町について、初めて他人から熱く語られたのは、埼玉の県立高校に通っていた高校生の時。その…

第51号:「六月の雪」とは・・・台南

2018年5月に発刊された乃南アサさんの「六月の雪」。 台湾の台南を舞台にしている。 主人公杉山未來は、祖母と二人で東京で暮らしている。両親は仕事の関係で、福岡で暮らしている。 未來は、アニメの声優を目指していたが諦めて、派遣社員で働いていた。派…

第50号:知らなった台湾・・・「流」

2015年に芥川賞を又吉さんが受賞した時に、直木賞を受賞した東山彰良さん。 彼のルーツである台湾を舞台にした「流」。 その頃、お気に入りだったBS日テレの「久米書店」に東山さんが登場されていたので、この本を読んだのでした。 長期にわたり戒厳令が続く…

第49号:本の行商人たちに捧ぐ・・・「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」

以前、このブログの第22号で、内田洋子さんの「十二章のイタリア」の中で、特に印象に残った一章として、「本から本へ」というタイトルの章を取り上げました。 umemedaka-style.hatenadiary.jp その本の行商の村モンテレッジォに関わる話が、今年2018年4月に…

第48号:知らないとは恐ろしい・・・「サラの鍵」

久しぶりに、衝撃の内容とストーリーテリングの素晴らしさに感心した1冊でした。 タチアナ・ド・ロネ著「サラの鍵」。 2010年に日本で発行された時点で読もうと思いながらも、すっかり忘れて数年が経過していました。友人が読んだと教えてくれたことで思い出…

第47号:小説でしか知らない芦屋・・・「ミーナの行進」

小川洋子さんの書いた「ミーナの行進」を読みました。 主人公朋子が、伯母家族の住む芦屋の家に、小学校から中学校へ上がる1年間過ごした様子が描かれています。従妹のミーナは、体が弱く、色の白い美少女。彼女とも打ち解けて過ごす様子がかかれています。 …

第46号:護国寺をぶらりと・・・「生きるとか死ぬとか父親とか」

長くお休みしており、失礼しました。 サマーヴァケーションが終わり、ほっと秋を楽しもうとしたところに、台風の影響による関空閉鎖。お客様が搭乗するはずの飛行機が次々と欠航⇒代替便にヤキモキ・・・、もう疲れました。そして、今週やっと落ち着いて、本…

サマーヴァケーションでお休みです。

早めにご連絡すればよかったのですが・・・(だらしなくて、すみません)。 仕事柄、夏場はお客様のサマーヴァケーションをサポートすべく、猛烈な忙しさのため、 お休みさせていただいています。 9月中盤以降から再開できる見込みです。 皆様もよいサマーヴ…

第45号:「アヴェンティーノの丘に行くのなら、朝でなければ」・・・『須賀敦子のローマ』

「彼女の書く文章がリアルタイムで読みたかった」と私が心から思う「彼女」というのは、須賀敦子さんのことである。 この『須賀敦子のローマ』は、須賀さんとも親交のあった大竹昭子さんが、須賀さんの書いたローマについての文章と、その場所を写真におさめ…

第44号:五行山の大理石のすり鉢・・・「平松洋子の台所」

旅に出る度に、キッチングッズを記念に買ってきていた。 2001年のパリでは、ル・クルーズの青の琺瑯鍋、グアムのKマートではマーサスチュワートのキッチングッズ、北京ではお茶のポットに、いかにも普通で中国っぽいスープボールとレンゲ、ソウルではチゲ鍋…

第43号:「ティラミスとエスプレッソ」が流行ったころの九十九里

今から思えば、80年代のバブルの頃には「イタ飯ブーム」というのがあって、その流れの延長で、90年代にティラミスが流行ったのかもしれない。 当時、「エスプレッソ」として、今まで飲んだことのない苦いコーヒーが日本でも市民権を得はじめたが、イタリアで…

第42号:小説の中の静謐な真鶴・・・「真鶴」

G.W.後半、真鶴のあたりは渋滞しているだろうなと、想像してみる。 以前は、小田原に泊まりに出かけることが結構あったので、そのついでに真鶴を横目に見ながら国道135号線をドライブしたりもした。それでも、真鶴半島の突端の三ツ石の方面まで足をのばした…

第41号:「母の遺産」に出てくる箱根のホテル

今日、たまたまテレビのチァンネルを変えていたら、BSで箱根のつつじの美しいホテルの庭が出ていた。旧三菱財閥の岩崎彌太郎の別邸だったという。それを見ていて、水村美苗さんの新聞小説「母の遺産」に出てきたのは、あ、このホテルのことかと思った。 その…

第40号:葉山にショートトリップ・・・「黄色いマンション 黒い猫」

年齢を聞かれたときには、キョンキョンと同い年と答える友人が紹介してくれた本「黄色いマンション 黒い猫」。小泉今日子こと、キョンキョンが書いた本。 何の気なしに読み始めたけれど、短い文で綴られる34のエッセイは、どれもすっと入ってきて、興味深く…

第39号:続編は出ないまま、「くそったれ、美しきパリの12か月」

2006年に単行本で、日本語訳が発売された「くそったれ、美しきパリの12か月」(原題:A year in the MERDE )。スティーブン・クラークという著者になっているが、原文では、Stephen Clarkeという名ででている。 この本は、その後、続編が出ないまま、早10年。…

第38号:壇奇放(泡)亭が住んだサンタクルス・・・「火宅の人」そして「壇」

先週は、お休みしまして大変失礼しました。 2月末から3月上旬にかけて、ヨーロッパは天候が大荒れでしたが、ようやく天候が回復してきた先週あたり、私の担当するお客様がどのグループも、バルセロナ、ロンドン、パリ、フィレンツェ、ローマ等に旅に出たとこ…

第37号:「存在の耐えられない軽さ」のプラハ、そして今

先日、NHKで「チョイ住みプラハ」という番組がやっていて、この番組は俳優やミュージシャン、料理人といったその世界で長年活躍してきた年配者と若手俳優が1週間程、海外のとある町で共同生活をするという番組。自炊をして、その町で名物を食べて、地元の人…

第36号:私の「悲しみよこんにちは」のイメージ・・・サン・トロペ

今日は、フランソワーズ・サガンの「悲しみよこんにちは」(BONJOUR TRISTESSE)。 「悲しみよこんにちは」と聞いて、斉藤由貴さんの曲のメロディラインがぱっと思い浮かぶのはおそらく40overの方ではないでしょうか。 フランソワーズ・サガンが1954年に、こ…