第131号からすっかりご無沙汰しておりまして、失礼いたしました。 本を読まなかったわけではないのですが、小説から少々離れており、いろいろなことが気になり、乱読というのでしょうか。いろいろなジャンルの本を読んでいました。例えば、仕事術やマインド…
第7巻(岩波文庫)で終了の「モンテ・クリスト伯」。 この1800年代中盤の物語(1844年から1846年新聞連載)でも、パリに住む貴族だったり、著名人たちは、亡くなるとペール・ラシェーズの墓地に眠ることが書かれています。 この物語でも、ヴィルフォールの…
「モンテ・クリスト伯」の読書会がついに終わりました。 岩波文庫は第七巻で物語が終わります。 個人的には、主人公モンテ・クリスト伯(ダンテス)から気持ちがすっかり離れてしまったので、ひたすら物語に出てくる地に思いを馳せるヴァーチャルトリップ専…
第6巻の読書会が終わりました。変化があり、面白かったです。 さて、六巻の最後の九八話に出てきた「鐘と罎のホテル」 というコンピエーニュ(Compiègne)のホテルについて、 気になっていたのでその後調べました。 下記のリンク①のサイト「Alexandrine Edit…
モンテクリスト伯の第4巻の読書会が終わりました。 舞台は、ローマからパリへ移動します。かつて婚約までしていたメルセデスやその夫でモルセール伯爵となったフェルナン、銀行家になったダングラール、検事となったヴィルフォール達、宿敵の住むパリです。 …
「モンテ・クリスト伯」の第2巻の後半、物語には新しいキャストが登場します。そして、舞台はフランスからローマに変わります。ローマが大好きな私としては、急に面白くなり始め、ローマの地図を片手に読みました。 新キャストは、フランス貴族の子息のフラ…
「モンテ・クリスト伯」の第2巻では、主人公ダンテスが牢獄の島シャトー・ディフで出会ったファリア神父から教養とともに、彼の仕えていたスパーダ家の財宝が”モンテ・クリスト島”に隠されていることを教授されます。 そして、彼は島を脱出して、その”モンテ…
長編である「モンテ・クリスト伯」を私はある読書会に参加して、読書会メンバーとともに読み進めました。このプログがアップされる頃には、その読書会はすでに終わっている頃かと思います。 「モンテ・クリスト伯」というと、一般的に復讐劇よね。とか、私よ…
アレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」の読書会は、第5巻が終了しました。いよいよ、あと2巻です。いまさらながら、このような長編の愛憎劇の繰り広げらる話をいままでの私は読んでこなかったと実感しています。 復讐のための立ち回る主人公モンテ…
Netflixで、クリスマスに『イル・ナターレ: クリスマスなんて大嫌い(原題:Odio il Natale)』を見ました。とてもいいドラマでした。笑って、泣いて、ハッピーエンド。 このドラマは、ベネチアの町が舞台になっています。でも、主人公が自転車に乗っている…
2021年11月に発刊された林真理子さんの「李王家の縁談」を読みました。 明治末期から戦後までを、梨本宮伊都子の目線で書かれた小説です。梨本宮伊都子は日記を残したことで知られています。 現在は断絶した梨本宮ですが、伊都子は鍋島家から梨本宮守正の元…
原田ひ香さんの本は2冊目です。1冊目に読んだ「三千円の使いかた」がとても面白かったので、この2冊目「古本食堂」を読みました。なんといっても、私の将来の夢は古書店を経営することなので、古本、古書というキーワードには反応してしまいます。 さて、こ…
片道2キロちょっとの図書館までウォーキングして、あてどもなく本を見て過ごすのが週末の楽しみです。 今年の夏は久しぶりに長野の姉のところに行こうと思っています。姉が白馬から引っ越し、いまは松本に比較的近いエリアに住んでいるので、以前よりも中央…
中島京子さんの「やさしい猫」を読みました。 特に最後の100ページくらいは、ボロボロ泣きながら読んで、こんなに嗚咽しながら読む本って、ここ最近出会っていません。 この話はスリランカ人のクマラさんとミユキさんと、ミユキさんの娘のマヤちゃんの話。東…
2007年10月に単行本化された村上春樹著「走ることについて 語るときに 僕の語ること」を今さらながら読んだ。最近参加している読書会のメンバーの方の話に出てきて、読んでみようと思った。 いまから15年以上前に、村上さんが「マラソン」をテーマに各地のレ…
夏目漱石の『こころ』は、たしか高校1年か2年のときの現代国語の教科書に三部構成のうちの第3部の「先生と遺書」だけ掲載されていた記憶があります。一部抜粋といっても、当時の私は本なんて全然読まなかったので、辟易するほど長いと感じたことを覚えていま…
今年は3年ぶりに規制のないG.W.ですね。私は、姉や甥姪とともに谷中に墓参したり、買い物をしたり、みんなで食事したりしました。晴天が続いて、「これぞ、ゴールデンウィーク」という気持ちになりました。 今日は、最近の日課のウォーキングをして、なかな…
NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が昨日最終回を迎えましたが、今回取り上げる山本文緒さんの「自転しながら公転する」も言ってみれば、ある家族の物語でもあります。ぐいぐい物語に引っ張られて、あっという間に読んでしまいました。 プロローグは、ベ…
ショーン・バイセル著の 「ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年」を読みました。 私と同じ世代で、1970年生まれの著者が、30歳の時の2000年に生まれ故郷であるスコットランド南部のウィグタウン(Wigtown)で本屋を偶然買い取り、そ…
2021年5月に発売された原田マハさんの「リボルバー」を読みました。 この表紙の「ひまわり」とリボルバーと聞いただけで、勘のいい人はゴッホの死に関係する話かなと気づくかもしれません。 そこまでは、いままでもいろんな本でも書かれていますが、耳切事件…
以前のブログを見ていたら、2008年に読んだガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』のことを書いていました。ちょうど、同名の映画が日本でも公開されて少し経ってからのことなので、映画を見て、興奮冷めやらずという感じで書いている節があります。そのブ…
内田洋子さんが2001年に刊行した本書が、2021年9月に加筆して文庫本としてリリースされました。 この本では、木造の古式帆船<ラ・チチャ>の約5か月、12の航路の旅を船長シルヴェリオが語り部となって書かれています。 また、この古式帆船<ラ・チチャ>に…
内田洋子さんの「ジーノの家」を久しぶりに読み直しました。 短編、でもそれはジャーナリストの内田さんらしく、全部本当にあったお話だということで、こんな出会いがあるのね~、などと思いながら読んでいます。 イタリア10景という名のとおり、各地での話…
2020年2月、第162回直木賞を受賞した川越宗一氏の「熱源」を読みました。 読みたいと思いつつ、だいぶ遅くなってしまってしまいました。 日本語を学ぶ中で、アイヌ語、そして先住民であるアイヌ人について、私自身少しでも知るきっかけにしたいと思って読み…
昨年「コロナの時代の僕ら(原題 Nel Contagio)」を書いたパオロ・ジョルダーノの2008年に出版された処女作「素数たちの孤独」を読みました。久しぶりに、読みながら主人公の二人の先行きが気になってしかたのない小説でした。 この小説では、2人の男女が主…
2020年12月、コロナ禍で発売された益田ミリさんの「考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール」を読みました。まさに、私が推奨する”バーチャル一人旅”にぴったりの本でした。 益田ミリさんが、2017年の6月末、2018年8月終わり、2019年の12月初旬に3回…
村上春樹さんの8つの短編からなる「一人称単数」を今更ながら読みました。2018年7月号の「文學界」で以前、3つの短編はすでに読んでいたのですが、今回再読し、残り5つの短編も読みました。 あらためて、短編小説もいいなあを思っていたのですが、そのなかで…
角田光代さんの「銀の夜」を読みました。 なぜ、この本に行き当たったのか、記憶にはないのですが、図書館からリクエストの本が届いたと連絡がきて、早速借りてきました。 著者らしく、それぞれの心の片隅にありそうで、他人(ひと)には話せない心理をうま…
東京は3度目の緊急事態宣言に入り、今年もまた旅にも出られないゴールデンウィークになってしまった。私にとっては、ここのところ、やらなければいけないことばかりが頭をもたげ、心がざわざわ、本が読めない日々だった。 ゴールデンウィークに入って、やっ…
もっとちゃんと須賀敦子さんの本を読んでおけばよかったのに・・・と思ったのは、2000年代後半になって、私が旅行会社でツアーの企画をするようになってからだった。2000年代前半、イタリアによく添乗に行っていた頃に読んでいたら、もう少し違った見方がで…