辻仁成さんの「なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない」を読みました。ご存知の通り、辻さんは現在パリ在住。
2月1日~6月6日までを日記形式で書いています。この時期パリは、ロックダウン開始前~解除後にあたります。現在の辻さんの日記はウェブサイト”Design stories”で、読むことが出来ます。
いままで遭遇したことがないコロナ禍。各国の対応はばらつきがあり、どこの国も手探りの状態が続いています。パリでは2月以降どのようなことが起きていたのかというのがわかりますし、国民性とかお国柄も感じます。
その2月~6月までの日々で、著者もたくさんの情報を得て、実際に街を歩いて、人と話して感じて、徐々に変化していく様子が読み取れます。私も同様に日本において、いろいろな情報を目にして、耳にして、時期が経つにつれて変化していく部分もあり、この未曾有の出来事の中で、誰もが考え、悩みながら前に進もうとしているんだと感じるものでした。
辻さんが息子さんと二人暮らしの中で、もともと家事(料理、掃除、洗濯など諸々全て)をやっており、ロックダウン後は、息子さんと2人自宅で過ごす時間が長くなり、食事を3食作り、食べる時間だけでなく、作る時間も大切にしている様子がわかります。
毎日、意地でも美味しいものをテーブルに並べたかった。こうやって美味しいものを食べていれば、きっといつか幸せがやって来る、と息子に教えてやりたかった。
(本書から引用)
インスタで辻さんの作る料理は美味しそうだなあと見ていたけれど、こういうことだったのかと思いました。私も日々の食事を大事にしたいと、今まで以上に思いました。
時には朝ごはんが作れない日もあったり、気持ちが塞ぐ日があることも書いているので、まさに同じ~と、思った主婦(主夫)は多かったのではないかと思いました。フェミニストを語るよりも、実際に全てやっている男性の方がよっぽど説得力があるし、信用できます。
さて話は変わりますが、私は先日旅介という旅行会社が企画・実施した「【オンライン・アカデミー】フランスから生中継!辻仁成と歩くパリ」というタイトルの下記の2つのオンラインツアーに参加しました。ちなみに第2回目は無料にて実施してくれました。
第2回~華麗なるヴェルサイユを巡る(9月21日)
生中継で、第1回はトロカデロから左岸のエッフェル塔のたもと辺りまで、辻さんと現地ガイドさんとともに歩いてみるという内容でした。第2回のヴェルサイユ宮殿は一般の人が入らない貸し切りのような感じ状態で辻さんとガイドさんと見てまわるという内容でした。エッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿、そして辻さんの今の様子もみられて、とても良かったです。
私事ですが・・・、高校生の時なので30年も前に辻さん(当時は辻じんせいと呼んでいた)のECHOESのファンで渋公のライブにも行ったし、オールナイトニッポン2部(3:00a.m.~)を聞くために、その時間に起き出して受験勉強をしていたことが思い出されました。
時を経て、いま新たに”辻じんせい”に共感する私がいました。
なぜ、生きるのかと考えてみるのが今かもしれない / 辻 仁成著
東京 : あさ出版 , 2020
287p ; 19cm