umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第71号:リュベロン地方への誘(いざな)い・・・「南仏プロヴァンスの昼下り」

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新型コロナウィルスの影響で、急激に仕事が減った私です。フリーランスだから収入も激減・・・。ですが、今までオーバーワークだったので、少し休業でもしたいと思っていたほどだったので、私にとっては思いがけないギフトをいただいた感じでもあります。

 

コロナ騒ぎの前に、プロヴァンスでも特にリュベロン地方の小さな町に行きたいという依頼が今年は珍しく多く、いろいろ調べていました。(まあ、この騒ぎでほぼ飛んでしまいました。)

 

リュベロンに行くならは、本当はミシュランガイド片手にレンタカーでのほうが動きやすいのですが、ハワイあたりはレンタカーがポピュラーですが、欧州となると日本人にはレンタカーは少しハードルが高いこともあり、公共バスやチャーター車などで行けるプランを考えていたのでした。

 

そんなこともあって、今回ピーター・メイル著「南仏プロヴァンスの昼下り( Encore Provance)」を読みました。といっても、この本が発刊されたのが、英国本国で1999年で、日本では翌年2000年に発表されました。だいぶ前の本です。

 

この「昼下り」の前2作で、ピーターメイル著の最初の2冊「南仏プロヴァンスの12か月」(1989年)、「南仏プロヴァンスの木陰から」(1991年)は、すでにだいぶ前に読んでいたのですが、この前2作から少し間をあけて発表されたこの本は読んでいませんでした。

 

もともと、最初の2冊が発表されてからだいぶ経ってから私は読んだのですが、それも確か添乗員を始めてからだったと思います。

 

フランスと言えば、パリ一辺倒だった日本人の目が南仏に向きだし、誰もが南フランスを南仏と言うようになったのもこの本のせいかと思った記憶があります。「12か月」の発表後に、BBCではドラマが製作されて、NHKでいち早く放映されたとのことで、なお日本でも早くからブームが起きたようです。これも私は後で知ったことですが。

 

今回読んだ「南仏プロヴァンスの昼下り」はピーター・メイル氏が南仏のメネルブに住んで、2作を発表して、その後、本に書かれたリュべロンの田舎町に観光客が大挙して訪れるようになります。数年後、著者自身、仕事の関係で、アメリカに4年間移り住んでいましたが、プロヴァンスに戻ってきたというところからスタートします。

 

4年経って、観光客がたくさん来ても、リュべロン(ヴォ―クリューズ周辺)は変わっていなかったとほっとする様子が書かれています。前作でのメネルブ近くの住処に戻ったのか、新しくどこかに居を構えたのか、この本ではあえて触れられていません。相変わらずいろんなことが不便で、厳しい自然もあり、住みやすいという土地柄ではなくても、やっぱりプロヴァンスがいい、離れてみてよりプロヴァンス愛が再燃している様子が感じられます。

 

この本の中では、トリュフの話やロクシタンの工場のあるラルディエで開校された「盲目児童のための調香技術教習所」の話、ラオギールという刃物の町の栓抜きナイフの話、オリーブオイルの話、アプトはかつては鉄道の要衝の町で、すでに廃線はしているものの一部手配機能が残った駅舎がある話(1999年現在)など、興味深い話がたくさん出てきます。

*その後、私が調べたところ、アプトに鉄道が走っていたのは1950-1960年頃でAvenue Victor Hugoに駅があったようです。Googleストリートビューで調べたましたが、それらしいものは見つけられませんでした。

 

ボニュー、アプト、メネルブ、ゴルド、ルールマラン、カヴァイヨンなどリュべロンには魅力的な町がいっぱいあります。私もとても行きたくなってしまいました。

 

ラッセルクロウ、マリオン・コティヤール主演の2006年に上映された「プロヴァンスの贈り物(A Good Year)」もピーター・メイル氏が原作だったと今回知りました。(少し驚き)この映画ではプロヴァンスの美しい映像が映し出されていた記憶がありますが、こちらももう一度見たくなりました。

 

7,8月のバカンスシーズンははずして、是非南仏へ。

 

南仏プロヴァンスの昼下り

南仏プロヴァンスの昼下り / ピーター・メイル著 ; 池 央耿訳

東京 : 河出書房新書, 2000 

297p ; 19㎝

原書名: Encore Provance

著者原綴: Peter Mayle

 

 

 

 

 

 

 

プロヴァンスの贈りもの  (字幕版)

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  • 発売日: 2016/10/31
  • メディア: Prime Video