第100号:ヴァーラーナシーに行ってから読みたい・・・「象牛」

石井遊佳さんの「象牛」を読みました。以前、TBSの深夜番組「ゴロウデラックス」という稲垣吾郎さん司会の読書バラティーがやっており、毎週楽しみにしていました。(その番組は惜しまれながら、SMAP騒動の少しあとに終了してしまいました・・・涙)

 

その番組で、「百年泥」で直木賞を受賞したこの石井遊佳さんが出演していたことが記憶にあります。インドで日本語教師をされていたということもあり、個人的には興味津々でした。

 

直木賞のあとの作品であるこの「象牛」を今回読みました。

大学院のインド哲学の研究室所属の主人公♀が、担当教官である片桐♂がインドのヴァーラーナシーで行われる学会に出席するということを聞き、急遽彼を追って、この地へやってきます。

 

現地へ来たものの片桐とは、連絡も取れずにいます。ヴァーラーナシーに滞在しながら、主人公「私」は片桐と初めての2人きりで会話したときに、彼に質問した<シヴァの三つの聖地>を一人巡っていきます。そんなおり、同じ研究室の岩本がヴァーラーナシーに現れて・・・。

 

この小説の中には、主人公「私」がたびたび遭遇する「象牛」という牛のような象のような架空の動物、ヴァーラーナシー周辺で目にするリンガ茸という物体など、なかなか想像が難しい、でもインドらしいようなカオスに満ちたものが出てきます。

 

ヒンドゥー教の最大聖地ヴァーラーナシーは、バナーラスやベナレスと言ったほうがイメージが湧きやすいかもしれません。テレビでガンジス川で沐浴をする様子を見たことがあると思いますが、そのガート(沐浴場)の周辺の様子も出てきます。

 

しかしながら、インド未踏の人にとっては、かなりイメージが湧きにくく、そこが読んでいてもどかしくなります。おそらく一度足を踏み入れた人には、もっともっとよくイメージできるのだと思います。

 

これを読むとやっぱり一度はインドに行かないと、と思います。インドは若いときに行け!と若い人には言いたい。でも、私も今からでも行きたいです。

 

このコロナ禍。インド、遠いなぁ。

 

象牛

象牛 / 石井 遊佳著

東京 : 新潮社 , 2020

195p , 20cm