umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第44号:五行山の大理石のすり鉢・・・「平松洋子の台所」

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旅に出る度に、キッチングッズを記念に買ってきていた。

 

2001年のパリでは、ル・クルーズの青の琺瑯鍋、グアムのKマートではマーサスチュワートのキッチングッズ、北京ではお茶のポットに、いかにも普通で中国っぽいスープボールとレンゲ、ソウルではチゲ鍋用の小さい土鍋、リュブリアーナではチーズおろしとレモン絞りの棒タイプのもの、アムステルダムではチーズスライサー、ベトナムではベトナムコーヒー用のフィルターなどなど、スパチュラーも各地でよく買った。

 

平松洋子さんの本を読んでいると、旅先でキッチングッズを買うっていうのは、他にもやっている人がいるんだと思ったし、平松さんの買ってきたものを見るのもなかなか面白い。

 

先日久しぶりに「平松洋子の台所」をみて、買おうか散々迷って、買わずに帰ってきてちょっぴり後悔していた記憶が、この本をきっかけに引き出されてしまった。

 

2000年になったばかりの頃、ベトナムには、バックパッカーで、そしてツアーの添乗で何度か行った。個人的にあの混沌とした感じが好きだった。当時は、バイクか自転車ばかりで車はほとんど見かけず、どこに行くにもトゥクトゥクを利用したり、バイクタクシー(いまから思えば、かなりスリリング)で出かけた。

 

南北にベトナムは長いから、だいたい南~北へという旅をすることが多かった。中部の中核都市であるダナンから少し奥に入ったところに五行山という大理石の産地がある。バックパッカーとしてまわっていた時には立ち寄らなかったのだけど、ツアーの添乗で行ったときに、その五行山に立ち寄って、大理石を採掘し加工しているところなども見学した。

 

そこで、大理石のすり鉢が売られていて、当時5ドル(その当時だいたいドルを使っていた)くらいで立派なすり鉢とすり棒が売られていて、小さいものなら3ドル程度。散々、買おうか、買うまいか、悩んだ末に、重さがかなりあるので諦めて帰ってきた。

 

その後、五行山に行くことはなく、ベトナムにも行かなくなってしまった。

 

バジルペーストの松の実を潰しているときに、「あ~、やっぱり五行山のすり鉢を買っておけば良かった・・・」と、平松さんの本を見てから、また感じるようになってしまった。

 

平松洋子の台所

平松洋子の台所 / 平松洋子 著

東京 : ブックマン社 , 2001

21㎝ ; 252p