umemedaka-style’s diary

本と旅をつなぐブログ

第39号:続編は出ないまま、「くそったれ、美しきパリの12か月」

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2006年に単行本で、日本語訳が発売された「くそったれ、美しきパリの12か月」(原題:A year in the MERDE )。スティーブン・クラークという著者になっているが、原文では、Stephen Clarkeという名ででている。

 

この本は、その後、続編が出ないまま、早10年。

 

主人公は、イギリス人のポール。ポールはあるフランス企業に、フランスでの英国式ティーサロンの事業展開のためにヘッドハンティングされた。それに伴い、単身パリに引っ越し、それをチャンスに「フランスの女性のはく申し分のない下着」に興味津々の彼のパリでの生活が始まるというストーリー。

 

(邦題にしたがって)著者スティーブン・クラークがたった200部を自費出版したところ口コミで広がり、フランスの新聞の書評に載ったことからベストセラーになったとのこと。

 

フランスならではの生活、恋愛、価値観。イギリス人の彼から見ると、はじめはとっても異文化に感じるが、そこで生きていると自分がそんな生活になじんで、すっかりパリジャンになりはじめていることも気づいたりする。

 

(この本の日本語訳は、2006年出版なので)その後、そのティーサロン事業はイラク戦争が始まって中止。オーナーで彼をヘッドハンティングしたフランス人は、政治の世界に踏み出そうとしておいたので、イギリス食材を積極的に輸入するというのは政治活動の支障になるということで、ポールはお払い箱。

 

最後には、オーナーに解雇されたポールはただでは転ばず、オーナーからティーサロンのネーミングと店舗を借りて、自分でティーサロンをオープンすることに決める。

 

この続きが続編で読めるはずだったが、続編は出ないまま・・・。

 

赤裸々な恋愛事情も面白い。この本だけでも十分面白かった。

パリに行くにしても、こういう日常のパリの話を読んでから出かけると旅も一層楽しめるのでは?

 

くそったれ、美しきパリの12か月

くそったれ、美しきパリの12か月 / スティーブン・クラーク著 ; 村井智之訳

東京 : ソニーマガジンズ , 2006

421p ; 19cm

書名原綴: A year in the MERDE