須賀敦子さんの本を読んでいるときに、読書家の須賀さんがこの本について書いていた。須賀さんは、作家というだけでなく、イタリア語の翻訳も手がけていた。勝手にむすびつけるが、村上春樹さんとの共通点でもある。
私は村上主義者でもあり、須賀主義者。笑
マヌエル・プイグの「南国に日はおちて」は、リオデジャネイロのマンションに住む姉妹の話。姉の二ディアは現実的、妹のルシは夢想家で、正反対の二人。たわいもない世間話が展開していく。
妹ルシは同じアパートメントに住む隣人、精神科の女医であるシルビアの恋愛の相談相手だった。シルビアも現実的なタイプで、二ディアに似ていた。
仲良く暮らしていた姉妹だったが、妹のルシがスイスに住む息子の元に移って、ほどなくして亡くなった。息子たちは、姉二ディアが悲しまないように知らせなかった。二ディアはルシに手紙を書き続ける。
二ディアが住むマンションの夜警をしているロナルドが北の町から出稼ぎに来ていて、工事現場に住みながら働いていることを知り、妻ウィルマを呼び寄せ、ルシが住んでいたの部屋に住まわせようと、二ディアは自分の名義で部屋を借りてあげたのであるが、ロナルドは夜逃げし、ルシの大切にしていた高価なレースの白いドレスとケープもなくなってしまった。
二ディアにとってもその事件は大きく、ブラジルの貧困の根深さに気づかされたのだった。そして、ブエノスアイレスにいる息子の元に帰ってしまった。
しかし、シルビアから手紙をもらい、ロナルドの妻ウィルマがリオに来たことも知り、自分の善行にもう一度立ち返ってみようと思い、リオ行きの飛行機に乗った。
コルコバードの丘、イパネマ海岸、一度は行きたいと思いながら、結局行けずじまい。
ブラジリアンジャズ→ボサノバを聞きながら想像するだけ。ボサノバも現地の人にとっては、演歌みたいな感じなのかな??とか想像したりもする。イタリア人に、カンツォーネの話を聞いたら、あー古い曲ね。聞かないよって感じのことを言われたことがあるから。
ブラジルの歌手マリーザ・モンチの曲を聞くと、ブラジルの明るい日差しを感じる気がする。なんとも爽快感がある。今のブラジルを音楽からすごーく良いイメージで想像すると、こっちのほうが合っているのかな?あくまでも想像の域である。
書名原綴が「CAE LA NOCHE TROPICAL」。ブラジルが舞台だから、ポルトガル語?と思いましたが、NOCHEってスペイン語ですね。なんとなく、こちらの字面のほうがこの本のイメージに合っている気がする。
南国に日は落ちて / マヌエル・プイグ著 ; 野谷 文昭訳
東京 ; 集英社 , 1996
19㎝ ; 254P
書名原綴: CAE LA NOCHE TROPICAL
マリーザ・モンチなら、私はこれをよく聞きます。
バルセロナの海沿いに、「マリーナ・モンチョス」というレストランがあって、マリーザ・モンチとマリーナ・モンチョスを知ったのが同時期だったので、たまに混同しました。笑