川上未映子さんが先日NHKの朝イチに出ていましたが、ちょうど「夏物語」を読んでいました。
主人公夏目夏子の出身地である大阪。姉の巻子と孫娘で、夏子の姪の緑子は大阪に(「笑橋」という地名で)住んでいるという設定です。
冒頭では、ある夏に巻子と小学生の緑子が夏子の住んでいる東京へ新幹線でやってくるところからスタートします。
10年くらいの時間の流れがこの小説では描かれていますが、緑子は小学生から大学生になり、夏子も巻子も歳を重ねます。
後半では、逆に夏子が8月31日の緑子の誕生日(夏子が好きになり始めていた逢沢の誕生日も同じ日なのですが)に合わせて夏子が新幹線で大阪に出かけていきます。
ちょうど、私も昨日は大阪に仕事の集まりがあり出かけました。
「のぞみ」に乗ると2時間半程であっという間に新大阪についてしまいます。
でも、東京人にとってはやはり大阪に行くというのは、なにか踏み出すようなところがあり、ついつい億劫になりがちですが、行ってみると、とても新鮮に感じます。
地下鉄、JRの雰囲気やアナウンス等ちょっとしたことでもなんでも、東京とちょっと違うと比較したりして、面白かったりします。
JRの線路侵入防止の紐みたいなの4,5本並んで付いていて、列車が着くとそれが上に上がるのは、なんだかすごくカルチャーショックでした。うー、斬新。
作品の中でも、大阪弁や大阪の風景が入ることで、東京との距離感やその土地土地の人たちの雰囲気と言うのが感じられて小説の中のアクセントなっていると思います。
今回はとても大阪を近く感じて(爆睡していたからでしょうか・・・)、こんなに近いならば、京都も大阪ももっと足繁く行きたいなあと思ってしまいました。
夏物語 / 川上 未映子著
東京 : 文藝春秋 , 2019
545p ; 20㎝