第63号:やはりナポリ・・・「 ナポリの物語3『逃れる者と留まる者(原題Storia di chi fugge e chi resta)』」

エレナフェッランテの待望の第3巻が発売になり、楽しみにしていたのですが、やっと読みました。

 

あらすじを少し・・・

第2巻のリラの夫婦生活の破綻、イスキア島でのニーノとの蜜月の末に、リラがニーノには秘密で出産した息子。リラとその息子の庇護を買って出て一緒に暮らし始めた友人エンツォとのナポリでの生活。

 

エレナ・グレーコこと通称レヌッチャはフィレンツの名家の若くして教授になった夫ピエトロのフィアンセ時代から第3巻はスタート。ナポリの実家に婚約中一時期に帰っているがその時は、リラのことは気になりつつも距離を置き、その後結婚してフィレンツェで生活が始まると電話でリラと話をしたり、連絡を取り始める。

 

リラは、イスキア島でニーノの友人として出会ったソッカーヴォ家のハムなどの加工工場で劣悪な労働環境の中働いていた。日本も60年代に日米安保学生運動が盛んだったように、第2次大戦後、中道政治からスタートしたイタリアも1970年代~80年代にかけて右と左が対立し、政治的に不安定な状況にあった。リラはソッカーヴォに反発し、学生が労働争議を持ち掛け、その矢面に立ったり、つらい状況が続いていた。

 

レヌッチャはリラに遅れて子供を身ごもり、さらにもう1人も生まれ、家事に追われるようになり、文章が書けずに、処女作のような話題性のある文章が書けなくなっていた。

 

レヌッチャが作家としても名声を失いかけ焦りを感じ始めていたころ、リラはエンツォとともにIBMの技師となり、持ち前の機転をきかせて活躍し、収入も上がっていく。

 

ナポリの地元でずっとリラを好きだったミケーレ・ソラーラが、予想以上に誠実にリラを愛し続けていたことが、幼なじみで妻のジリオーラからレヌッチャに明かされ、リラを雇いたいと懇願したミケーレを長年嫌っていたリラがそれを受け入れたり、兄のマルチェッロ・ソラーラがレヌッチャの妹エリサと婚約したり、思いがけないことが起こっていた。

 

そんなおり、大学に勤める夫が大学の同僚として、ニーノを家に連れてくるようになり、10日間の逗留で、レヌッチャとピエトロの家から大学に通うことになった。

 

逗留の最後の日に、レヌッチャはニーノと結ばれ、ニーノと共に短い旅に出るとピエトロに告げ、旅に出るところで、第3巻は終わる。

 

第1巻、第2巻のときよりも、さらに衝撃の結末で、次作が気になって仕方のない終わり方でした。

 

フィレンツェに住み安定した教授夫人に見えるレヌッチャも、結局は思想も行動もナポリ時代に帰属してしまうのかと少し残念な気持ちになったりしました。

 

女の友情って、ライバル心とノスタルジー、純粋なるものも入り混じって大変なのね〜と感慨深く思ったり。ストーリーとしては非常に面白く先が気になってしょうがないので、早く次がでないかな・・・

 

 

逃れる者と留まる者 (ナポリの物語3)

 

逃れる者と留まる者 / エレナ・フェッランテ著 ; 飯田 亮介訳

東京 : 早川書房 ,  2019

527p ,  19㎝. - (ナポリの物語 3)

著書原綴:Storia di chi fugge e chi resta

著者原綴: Elena Ferrante