第4号:「コレラの時代の愛」のコレラの時代って?

GW真っ只中、今年は圏央道も開通して常磐道が例年になく渋滞しているとか。休日だと曜日の感覚もなくなってしまいますね。今日は、2014年に87歳で逝去したG・ガルシア・マルケスの「コレラの時代の愛」について。

 

私の好きな俳優の5位以内に入るジョン・キューザック主演の映画「Serendipity”(セレンディピティ)」<2001年公開>で、ニューヨークとサンフランシスコという遠く離れた地に住む男女2人が、また再会するキーアイテムとして、5ドル紙幣と路上で売られていたこの「コレラの時代の愛」の本が登場する。そこで、初めてこの本のタイトルを知った私、その後、この本を読んでみて、劇中で、この「コレラの時代の愛」がキーアイテムとして使われるのが、ストーリーと相まって、“気が利いてる”と、後になって感じた。

 

コロンビアの地方都市を舞台にしたこの作品。私はコロンビアには行ったことがないので、ガルシア・マルケスが過ごしたというコロニアル様式の家の並ぶカルタヘナの町を想像しながら読んだ。(実際には具体的な町の名前は挙げられていなかった。)

 

冒頭フベナル・ウルビーノ博士の死から話が始まる。そして、博士はその妻フェルミ―ナ・ダーサとの夫婦生活を振り返り、夫婦として冷戦の時期も経たが彼女を愛していたと確信して亡くなっていく。

妻のフェルミ―ナ・ダーサは結婚する前、文通を重ね、フロレンティーノ・アリーサという男と婚約していた。しかし、結婚の日が近づいてきたころ、ある出来事をきっかけにこんなはずじゃなかったと婚約を破棄した。

映画の宣伝にも使われていたが、”51年9ケ月と4日、男は女を待ち続けた・・・”。その”男”というのは婚約を破棄されてしまったフロレンティーノのこと。その長い歳月の間に、フォロレンティーノは仕事で、船会社の社長となり成功をおさめ、夜の快楽の館に出入りすることで、数多くの女とかかわりを持った。

 

フェルミ―ナが夫の死後やっと、フロレンティーノを受け入れ、彼と2人で、川船で目的地「金の町」まで旅に出るシーンが特に印象的。そこで、コレラ時代というタイトルと結びつき、この本の描かれた1860年代~1930年代にかけての時代がこんな時代だったんだと納得する。

 

この本を読みながら、2階建て、ないしは3階建てくらいの白い外輪船が、茶色い水が流れる大河を航行していくのを想像する。読者は、まだ未知なコロンビアへ思いを馳せることができる。

 

読後、映画「コレラの時代の愛」を見たら、この小説の舞台となるコロンビアの地が、鮮やかに映っていた。でも、登場人物が、映画という短い時間の中で年老いていく姿は、あまりにもビジュアルにおいてもリアリティが強すぎて、正直がっかりする。まずは、本を読むのをお薦めしたい。

 

【51年9ケ月と4日】。こんなことって、あるのかな??と思いながらも、たしかに人の人生には思いもよらないことがあるものだと、大作家の力を借りて、考えてみたりする。

 

コレラの時代の愛

 

コレラの時代の愛 / ガブリエル・ガルシア・マルケス著 ; 木村 榮一訳

東京 : 新潮社, 2006 , 528p ; 20㎝

原文書名: El amor en los tiempos del colera

 

ガルシア・マルケスを知るためのもう1冊>

謎ときガルシア=マルケス / 木村 榮一著

東京 ; 新潮社, 2014 , 250p ; 19cm

謎ときガルシア=マルケス (新潮選書)